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猫の社会化-ブラックの場合-

 

Instagramでも触れていますが、ブラックは他の猫を見ると襲ってしまうので、施設で暮らすのは難しく自宅にて暮らしています。

 

 

我が家には7歳と10歳になる雌猫2匹がいて、やはりブラックが興奮して追い回してしまいます。老猫なので血圧にもよくない為、自宅にゲートを設置して、完全に「住み分け」を行うことにしました。

 

廊下にゲートを取り付けて、ブラックに2部屋、我が家の猫に2部屋という感じです。

 

私は、ブラックがこうなってしまった原因ってなんだろう?とずっと考えてきました。

先日、獣医師監修のとても興味深い記事がネットに上がっていましたので、要約します。

 

それは、飼い主と猫の「共依存」についてでした。

お互いかけがえのない存在として、強いつながりを長い間持てる環境は理想的ではありますが、共依存の危険性がある。

猫の場合だと、飼い主がいなくなることで「分離不安症」に、人間の場合だと猫がいなくなることで「ペットロス」につながることも多いそうです。

 

ブラックは20年間、たった一人の飼い主さんとずっと暮らして来ました。もちろん来客はあったと思いますが、他の猫は知らないし、他の家も知りません。

 

飼い主さんが急逝され、いきなり全く異なる環境に連れて来られたブラックは、パニックになってしまったのでしょう。

パニック障害として、 病院で薬を処方してくれました。

 

 

この「住み分け」は、約1年続きました。

ブラックも、わが家の猫2匹もお互いのテリトリーに行きたがったし、人間の私達もいちいちゲートを開け閉めするのが面倒ではありましたが、そこは皆で我慢です。

ブラックが我が家の猫達を見ても、興奮しなくなるよう願っていました。

 

そして、やっとその時はやって来ました!

今年に入ってから、少しずつゲートを開ける時間を作りました。最初はブラックも家猫もドキドキしていたみたいですが、ブラックが興奮して襲い掛かることもなくなり皆で暮らせるようになりました。

 

ブラック自身が年老いたので、襲うだけの力が残っていないのかもしれませんが(^-^;、それでも他の猫達と一緒に一つ屋根の下で暮らせるようになってくれて、とても嬉しいです。

 

22歳になるブラック。人間で言うと105歳近くですが、約1年かけてやっと社会化できたのかなと思っています。

飼い主さんと二人きりでずっと最後まで生活できれば、社会化する必要もなかったかもしれませんが、これもブラックの猫生です。

 

 

 

 

また、東日本大震災以来、ペットと暮らす方々の意識が変わってきています。

猫の場合だと、今まで家の中だけで暮らしてきたけれど、猫も一緒に避難できるようにしたいと考える方が増えました。

 

「うめねこ」は猫ホテルを併設しているので、避難時を想定して「家とは異なる環境に慣れさせておきたい」という主旨で、ホテル預けにくる方もいらっしゃいます。

 

昔は猫は「家に居つく」とよく言われたものですが、猫の高齢化やペット防災を考えた時に、様々な環境の変化にも適応できるように猫達も「社会化」していくことが、今求められているのかもしれません。