治療の話ばかりなので、ここで少し「うめ」という猫について書きます。
うめは人なつっこい猫でしたが、猫のことは嫌いな猫です。
自分から他の猫に攻撃していくわけではありませんが、必要以上にしつこくされたり、近寄られたりすると「こっちに来ないで」と言わんばかりに、威嚇して手が出ます。
いわゆる「一頭飼い」に向いている猫でした。
それなのに、我が家は多頭飼いで、しかも保護した子猫もたまにやって来ます。
新しく子猫が来ると、うめは決まって
「オッ、オッ、オエッーーーー!」
としてくれます。
どこでもかしこでも、子猫を見た瞬間に込み上げてくるようでした(笑)
うめは保護した当時からすべての歯が無い子だったので、甘噛みをする時も歯茎で噛みます。
「ピチャピチャピチャ」
と、なんとも言えない感触で手が濡れます(笑)
怒った時噛んでも、歯茎なのでこちらは痛くありませんが、うめは逆に痛かったことでしょう。なるべく噛ませないように気を付けていました。
歯が全くないことで、もう一つ気を付けていたことがあります。
それは、爪の掃除です。
爪切りは定期的にやっていたのですが、他の猫に比べてうめの爪の付け根は常に汚れていました。爪の垢だと思うのですが、黒い塊がこびりついている状態です。
猫達を観察していると、グルーミングの際に器用に前歯の牙で爪をしごいていることがあります。うめは牙が無いので歯茎で掃除していましたが、きっと上手に爪の掃除ができなかったのでしょう。
爪垢は放っておくと、どんどん増えていきます。ばい菌から化膿したり臭いが出てくるので、汚れると掃除するようにしていました。もちろん、嫌がりましたけど(笑)
逆に歯が無くても、うめの逞しさを感じることもありました。
ドライは噛めないのでウェットと思いがちですが、うめはドライが大好きでした。
歯が一本も無くてもドライを食べます。噛むのではなく、器用に少しずつ飲み込むのです。急いで食べると戻すことがありましたが、消化力が衰える高齢になるまではずっとドライ中心の食生活でした。
うめは猫嫌いでしたが、子猫達は構わず寄っていきます(笑)
うめが唯一、自分から寄って行った猫。
「みぃ」ちゃん。
みぃちゃんも、今はもう虹の橋にいます。
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