【その3】
身の回りを常に清潔にし続けてあげることは、お世話の中でもとても大事なことですが、老猫ならではの気を付けてあげる点もありました。
それは、老いてくると猫はグルーミングをしなくなるということです。みこちゃんレベルになると、ほとんどしません。だから、人間が代わってグルーミングしてあげなければなりません。
まずブラッシングして毛玉ができないようにとかします。これを放っておくと、短毛種でもたちまちあちこちに毛玉ができます。血行も良くなるので、ブラッシングは老猫にとってとても大切です。
それと爪とぎをしないので爪が伸びるのが早く、太い巻き爪になり、放置すると肉球に刺さってしまいます。定期的に切ってあげるのですが、みこちゃんはこの爪切りが大嫌いでした。いつも「うーうー」と唸ってささやかな抵抗をしていました。
対照的にお尻やグシュグシュする目と鼻、ジグジグする耳なんかは掃除するといつも気持ちよさそうでした。
みこちゃんは血液検査も問題なく、腫瘍も内臓系の病気もない、言ってみれば「健康な老猫」でしたが、たった一つ「てんかん」もちでした。
てんかんを起こしたみこちゃんを初めて見た時は、あまりにも暴れるのでこのまま死んでしまうかもしれない、とただただオロオロと慌てる事しかできませんでした。動画を撮って獣医さんに見せたのですが、結局原因は分らずじまい。
ただ、ある種の高い音に反応して何度かてんかんを起こしたと記憶しています。例えば、空の陶器にカリカリを入れる時の「カランカラン」という音。それ以来、フードを入れる容器を変えたり、てんかんを起こした時はぶつかって怪我をしないように周りの物をすべてどかすようにしていました。
みこちゃんを保護してから1年が経ち、2年が経ち、ある日病院に行った時「長生きしてますねぇ」と先生から言われ、「最期だけ看取ろうと思って保護したんですけどね」と苦笑したところ、すかさず先生が「います!うちにもそういう子」と言われ、笑いあったことがありました。
なんだか当初の予定と違うんだよなと思う半面、でも生きててくれて嬉しいよ、みこちゃん。
<つづく>
抱っこされて、お尻を拭かれているみこちゃん。
気持ち良さそうです。
みこちゃんのてんかん時の発作。周囲の物をすべてどかして、一切手を出さずに見守ります。
発作後のみこちゃん。不安だから?疲れたから?鳴いているのかな。
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